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D.H.ロレンス(D.H.Lawrence 1885-1930) 目次に戻る

 

イギリスのノッティンガムシャー出身の作家。主要作品は、『息子と恋人』、『恋する女たち』、『虹』、『チャタレー夫人の恋人』など。生涯をイギリス、フランス、イタリア、スイス、オーストラリア、アメリカ合衆国、メキシコなど様々な場所で過ごしており、世界文学的な見地からも興味深い作家である。

『触れることのモダニティ』では1925年以降の、彼がイタリアに滞在していた時期のロレンスに焦点をあて、考察をしている。彼がフィレンチェに滞在していた頃、イタリアではすでにファシズムが勃興しつつあった。ロレンスはローマ文明に先立つイタリアのトスカナ地方の古代文明である、エトルリア文明に関心を持ち、その遺跡をめぐって旅行記を書いた。この旅行記は、彼のどのような古代への想像力を示しているだろうか? また、それはどのように勃興しつつあったファシズムに対抗しているだろうか? セザンヌへの傾倒、視覚文化への批判など共に、彼の触覚的な想像力の射程にせまる。ジル・ドゥルーズのロレンス論にも触れている。

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